響屋の演奏会では、依頼演奏も含めて多くの場合「ネタ」と呼んでいるパフォーマンスを行います。
面白楽器を紹介したり、お客さんを巻き込んでクイズ大会をしたり、あるいはお客さんにその場でアンケートをとって次のプログラムを決めてもらったり……など、様々なものがあるのですが、この「クラリネットこわしちゃった」(以下、「クラこわ)はその第1号。
結成当初からやっていて、第1回目の「木造館コンサート」で既に登場しています。
そこから少しずつ楽譜を改訂しながら20年以上色んなコンサートで演奏していますが、どこで演奏しても喜んでいただける、響屋の十八番です。
自主公演の「響屋のお楽しみ袋」では節目の年に必ず演奏しています。
また、2012年の北海道北広島市で開催された「第30回日本クラリネットフェスティバル in 北海道」でも演奏させていただきました。
発想は、クラ吹きならよく知っている「だんだん小さく」という曲でした。
クラリネットを吹きながら、ベル、下管、上管と外していき、最後はマウスピースだけになるという曲ですが、ここに「金管楽器がマウスピースだけで演奏しているけど、あれをクラリネットでできないかな?」とメンバーと話したのがきっかけ。
いろいろ試行錯誤してみると、マウスピースだけでも音階を吹けることが分かったので、「じゃぁちょっと曲作ってみる」と、クラリネットこわしちゃったをアレンジして、この曲ができました。
最初は普通の楽器のまま演奏します。途中でベルと下管を外して、マススピースから上管だけで演奏。そしてさらに上管とバレルも外して、最後はマウスピースだけで演奏します。
「だんだん小さく」は、最後のマウスピースは単音だけでの演奏ですが、私たちの「クラこわ」では、ちゃんとメロディーを吹いているところがポイント!
何度か楽譜を改訂して、2018年「響屋・Forestジョイントコンサート」で現在の形になりました。(おそらくこれが完成形)
今後も響屋の自己紹介替わりの曲として、様々なコンサートで演奏していくと思います。
※動画は2019年11月 第4回十勝クラリネットフェスティバル(帯広)での演奏。
2021年6月に、ネクサス音楽出版より楽譜が出版されました!
しかも、クラリネットアンサンブル版だけでなく、ピアノ伴奏版、小編成吹奏楽伴奏版も同時発売!
ぜひ皆さんの団体のレパートリーに加えてください。
「クラリネットこわしちゃった」 編曲:中村利雅 (小編成吹奏楽伴奏版編曲:渡部哲哉)
クラリネットアンサンブル版 (Solo Cl & B♭Cl ×3、Bass)
※出版にあたり、一部オーケストレーションの調整がされています。